唐木仏壇ができるまでには、様々な工程と熟練工の技が必要です。製造工程は、主として木地工程・彫刻工程・塗装工程に分類することができます。下の図は徳島の唐木仏壇の代表的な製造工程の例です。さらにこれに各社各様の工夫と技術がもりこまれ、梱包、出荷されます。
仏壇塗装を大きく分ければ、材質の特色を素朴に美しく引き出すオープン仕上げと鏡面仕上げとがあります。いずれにしても仏壇の美しさを引き出す塗装は最終工程における職人芸の極地を示す方法です。
漆工技術のひとつでもある摺り漆仕上げを漆ではなく化学塗料で行うもので、最近の高級唐木仏壇の仕上げの主流になっています。塗装の度に研磨を繰り返し、木地の表面を平らにします。オープン仕上げの最終工程は水ペーパー仕上げによるもので、材質の美しさ、特色を最大限に引き出し木地が元来もつ風合いをそのまま見せます。
厚めの塗装面で仏壇の木地を保護するものですが、鏡面状の塗装面は一層仏壇本体の豪華さを引き立てます。
黒檀・紫檀・鉄刀木などの唐木は、近年極めて貴重な素材となっています。総ムクで造られた唐木仏壇は、今や最特上品といえるでしょう。 このほか唐木の使い方としては、つぎのような方法があります。
【練り工法】 芯材の上に厚さ5~7㎜もある厚いムク材を張り合わせる方法です。これは、つぎのツキ板貼り工法に比べてはるかに高級感が得られます。総ムク 全てムク材を使用しています |
四方ムク (四方練り) 芯材に四方から唐木を張り合わせています |
三方ムク (三方練り) 芯材に三方から唐木を張り合わせています |
二方ムク (二方練り) 芯材に二方から唐木を張り合わせています |
前ムク (前練り) 芯材に前方向から唐木を張り合わせています |
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